家の外観を大きく印象づけるフェンスは、単なる境界線や目隠しの役割を超えて、デザインや素材、色合いで住まいの雰囲気を引き立てる重要な要素です。さらに、周囲の環境との調和を意識することで、より一層魅力的な外観が作り上げられます。この記事では、フェンス選びの際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
庭のフェンスの役割
庭づくりや外構工事を進める中で、フェンスの設置は欠かせません。フェンスは、単なる囲いとしての役割にとどまらず、暮らしの質を高める重要な要素だからです。プライバシーの確保
住宅が密集している地域では、道路や隣家からの視線が気になることが少なくありません。リビングや庭でくつろいでいるとき、外からの視線を気にせず過ごしたいという方も多いでしょう。フェンスを適切に設置すれば、カーテンを開けたままでも室内外の空間を楽しめます。目隠し効果をもつフェンスを取り入れることで、生活空間に自然な落ち着きと開放感が生まれるでしょう。
安全・防犯対策
小さな子どものいる家庭にフェンスがあれば、庭から飛び出して道路に出てしまう危険を未然に防止でき、段差のある場所での転落防止にもなります。さらに、防犯対策としてもフェンスは効果的です。外からの視線をある程度遮りつつも、過度に閉ざしすぎないデザインのフェンスを選ぶことで、不審者の侵入を防ぎやすくなります。
庭をおしゃれにできる
木目調やアイアン、アルミ素材など、フェンスのデザインや材質は非常に豊富であり、家の外観や庭の雰囲気に合わせて選ぶことで、統一感のある外構を演出できます。フェンスの種類と費用の目安
フェンスを選ぶ際には、フェンスの種類とコストを理解しておくことで、理想の住まいづくりに近づく第一歩となるでしょう。ここでは、代表的なフェンスの種類ごとに、特徴と1メートルあたりの工事費用の相場を紹介します。樹脂製フェンス
樹脂製フェンスは耐久性が高く、木材のように腐る心配がないので、塗装や防腐処理といった定期的な手入れも不要です。小さな子どもが触れても、ケガをするリスクが低い点も安心できます。最近では木目調などデザイン性に富んだ製品も多く、ナチュラルな印象を演出することも可能です。コスト面では、グレードによって異なりますが、1メートルあたり1万3,000円から3万3,000円が一般的な工事費用の目安です。
木材フェンス
木材フェンスは、温かみのある自然素材が魅力です。木や花を多く取り入れたナチュラルな庭と相性がよく、やさしい雰囲気を与えてくれます。加工がしやすく、デザインの自由度も高いのが特徴ですが、その反面、耐久性に注意が必要です。時間の経過とともに色合いが変化し、腐食や虫害のリスクもあるため、定期的なメンテナンスが求められます。ただし、ウリン材などの耐久性に優れた木材を選べば、メンテナンス頻度を抑えることも可能です。費用の相場は、1メートルあたり3万7,000円〜5万6,000円とやや高めになります。
ラティスフェンス
格子状のデザインが特徴で、近年、ホームセンターなどでも手軽に購入可能になったフェンスです。樹脂製や天然木製のものがあり、庭のスタイルに合わせて選択でき、つる植物を這わせれば、目隠しとしての効果も発揮されます。DIYなどで気軽に設置可能ですが、工事を伴う場合の相場は、1メートルあたり2万5,000円〜3万5,000円程度です。
竹垣フェンス
和風住宅との相性がよいのが、竹垣フェンスです。竹のような見た目ながら、実際にはASA樹脂などの耐久性のある素材で作られているため、腐る心配がなく長持ちします。隙間がほとんどない構造のため、プライバシーを守る機能性も高く、和風の趣を大切にしたい住宅にぴったりです。工事費用は1メートルあたり1万8,000円〜3万5,000円が一般的な目安です。
フェンス選びにおける注意点
フェンスの選び方ひとつで、印象や暮らしやすさが大きく変化します。外構工事を検討している方にとっても、フェンス選びは慎重に検討しましょう。ここでは、フェンスを設置する際に注意したいポイントについて解説します。圧迫感が出ないように
外からの視線を遮りたい場合、隙間の少ないデザインや高めのものを選びたくなるかもしれません。そのようなフェンスは閉塞感が強まり、毎日の生活でのストレスにつながります。適度な抜け感や開放感をもたせることが理想です。さらに近年、フェンスの目隠し効果を利用した空き巣も増加しているため、高めのデザインで完全に視界を遮ってしまうのも問題です。外からも適度に見えること、解放感があることも重視して検討しましょう。
